不毛地帯 第十一話
アメリカ近畿商事がすすめた提携交渉の手柄は副社長の手に渡り。
昭和45年、アメリカ近畿商事を訪れた里井副社長(岸部一徳)と業務本部長の角田(篠井英介)。
フォークと千代田自動車との交渉をいったん白紙し、資本提携ではなく新会社を折半出資で設立しようとする案だ。
せっかく提携交渉までこぎ着けるのに時間をかけた壱岐正(唐沢寿明)をはじめとして、海部(梶原善)、塙(袴田吉彦)や八束(山崎樹範)らは納得できないでいたが、副社長を命令ということで受け入れざるを得なかった。
商社は両社(とくに千代田)の経営の事を関知しないというのが、里井の考えである。
壱岐は自宅に帰り、就寝する。
すると、夢に亡くなった妻佳子(和久井映見)が現れ、里井から自分の命令を聞くようにとの話しをしていた。
壱岐が妻の元へ近づくと「里井さんの話を聞いてあげてください」と言い、周りの人にも責められてしまう。
夢が覚めると、すでに朝になっていた。
デトロイトのフォーク社では、近畿商事との交渉が行われた。
千代田自動車に対するフォーク社の出資比率を33.4%以上から25%に下げるようにする案を壱岐らが提示すると、フォーク2世らは憤慨し決裂しそうになった。
これに対し、里井らは資本提携を申し出ることになり、この案が通る。
フォーク社は調査団を送り、千代田自動車の経営状況を調べることになった。
交渉がうまくいき、里井の思う通りになった。
早速調査団受け入れの準備のために2人は日本へ帰国することになった。
里井の案に納得できなかった壱岐は、千代田がこの案を受け入れるのかと聞くと、自分の案が通らなかった事を不満に思っているのかと言う。
里井がコーヒ-を飲もうとすると、いきなり倒れてしまう。
壱岐は心配すると、「何でもない、しばらくするとなおるから」と言う。
しかし、症状が治まらないので救急車を呼ぶことにした。
里井が運ばれた病院は、たまたま心臓の専門知識が豊富であるところだった。
しかも、大門社長(原田芳雄)の計らいにより心臓病の世界的権威のフリードバーグ教授や浪速大学から研修している大田先生に見て貰えることになった。
角田は一人で帰国する事になり、里井は入院する事になった。
里井の発作の原因は狭心症で、誤れば心筋梗塞に繋がりかねないことにであるという。
壱岐の提案により調査団の来日を1週間遅らせることをフォーク社に打診することになる。
しかし、里井は納得できないことを根に持っているのではないかと懐疑的な表情を見せる。
東京で里井が病院に入院していることは、今のところ大門社長のみしか知らないこと。
市丸副社長から電話があったときも、壱岐は風邪だということにして内密にすることにする。
近畿商事東京支社から帰ってきた角田を待っていたのは、毎朝新聞記者の田原(阿部サダヲ)だった。
なぜ一人で帰国したのかということを聞こうとしたが、全く答えようとはしなかった。
不毛地帯 - フジテレビ