八ッ場ダム
前原国土交通大臣が、熊本県の川辺川ダムと並んで建設中止を表明している八ッ場ダム(やんばだむ)。
民主党が打ち出したマニフェスト通り本当に中止になるのかどうか不明な中、自分もその様子を見に行ってきました。
久しぶりの長野原町。
家族で志賀高原へ行った帰りに国道145号線を通って以来(もう十数年前)のことなので、この変わり様は驚かされます。
新しい道路やJR吾妻線の新線など、ダム建設に伴って新しく建設されていることを確認しました。
川原湯温泉駅の近くに、国の名勝である吾妻峡(吾妻渓谷)があります。
渓谷の途中がダムサイトになるとのこと。
白糸の滝を含め、せっかくの景観が消えてしまうのは寂しい。
川原湯温泉周辺は水没となり、新しい源泉を引いて代替え地で温泉宿が営業されるそうです。
パンフレットには、『ダムに沈む幻の温泉』となっています。
4年前に購入した『るるぶ決定版!温泉&宿 関東周辺(2005年発行)』の124ページによると、八ッ場ダムは平成22年に完成予定との記載されてました(現時点では平成27年)。
国土交通省が設置した八ッ場ダム建設のPR施設「やんば館」。
当然のことながら、やんば館の駐車場は満車でした。
計画中止の報道がなされてからは、来場者が増えているそうです。
この地も沈むとのことですが、なぜ長野原草津口駅近くに設置しないのかが不思議。
八ッ場ダムは、昭和27年(1952年)に当時の建設省によって計画発表されてから60年経っているとのこと。
本格的に建設が始まったのは平成になってからのようです。
やんば館では歴史(特に地元の反対運動について)触れていました。
あとは、ダムの必要性(治水、発電、利水、上水道)を訴えるビデオ上映もされています。
特に、計画の発端となったカスリーン並みの台風に備えるためともありました。
八ッ場ダムの計画がすぐに実行されなかったのは、上流にある草津温泉や万座温泉などの温泉の泉質は酸性(強酸性)であることから、その水が吾妻川に流れ込みそのままではコンクリートを溶かす事が明らかとなったこともあるそうです。
確かに、草津温泉は殺菌の効能があるとうたわれるくらいですから。
湖面2号橋の橋脚は異様に高いですな。
高さがおよそ100メートルあるそうで、よく山間部に架かっている高速道路の橋よりも高いのでは。
実際にこの地を訪れてみて思ったのは、この問題の解決は難しい。
完成させるより途中で終わらせば金額は抑えられ、ムダは減らせるでしょう。
ただ、湖面2号橋はこのままにしておくとかえって危険な感じがしますけどね。
他サイトからの引用をする言い回しになってしまうのですが、国(国土交通省)は自治体(一都五県)や地元住民に対して、何で建設中止をしなければならないのかといったことをきちんと説明しないことには全く進展しないかもしれません。
すでに、群馬県や長野原町の議会では建設推進と計画中止の撤回を求める議決が可決されているので、泥沼化することは必至かな。
今回のダム問題について、長野原町の住民の立場について書かれてあります。
長野原町民が八ッ場ダム中止問題の矢面に立たされている3つの理由 - 速報ダム日和
追記(長野原町民が八ッ場ダム中止問題の矢面に立たされている3つの理由について) - 速報ダム日和
八ッ場ダムについてのいろいろなリンク
八ッ場ダム - Wikipedia
八ッ場(やんば)あしたの会 - 利根川流域脱ダム宣言!
群馬県吾妻郡長野原町、吾妻渓谷「渓ばたの温泉」川原湯温泉へようこそ
八ッ場ダム工事事務所
長野原町へようこそ!